コラム ~親が亡くなったら?必要な相続手続きの方法と流れを解説~
親が亡くなったら?必要な相続手続きの方法と流れを解説
親が亡くなってしまった際にやるべきことは非常に多く、戸惑ってしまう方が多いでしょう。死亡診断書などの書類提出や保険、金融機関への連絡、住居についての対応や相続など…非常に多くのやるべきことがあり、大変ですよね。
なかでも相続に関しては非常に労力が必要になります。保険や財産の確認から、親族との話し合いなどは特に骨が折れる作業です。
そこで今回は、相続の方法と流れについて具体的に解説しましょう。この記事を最後までご覧いただくことで相続の流れを理解し、いざという時スムーズに手続きすることができます。
親が亡くなった時に必要な相続の方法と流れ
相続は主に以下のような流れで進めます。それぞれ一つずつ解説していきましょう。
1. 相続財産(負債)の確認
2. 遺言書の有無
3. 相続人での話し合い
4. 相続・相続放棄の申告(原則亡くなってから3ヶ月以内)
5. 納税(相続税が発生する場合のみ)
相続する財産について確認する
親が亡くなり、相続が発生した際にまず行うべきことは、財産の確認です。故人がどれくらいの、どのような財産を保有しているのか隅々まで確認しましょう。
故人の預金や保険、不動産(持ち家)、株式投資などの確認や、場合によっては遺族年金の申請も必要になります。
可能な限り生前に財産の整理を行い、親族と書類の所在などを共有しておくのが良いですが、亡くなった後では財産の確認が難しい場合もあります。
自宅に届いている書類などから故人が所有している不動産や、預金口座などをしっかりと調べましょう。
相続の際に確認する財産は、主に以下の5点になります。
1. 不動産
2. 預貯金(銀行口座)
3. 年金
4. 保険
5. 株式
一つずつ注意点を解説していきます。
1.故人名義の不動産
持ち家がある場合は当然相続財産となりますが、中には投資用不動産などを所有しているケースもあります。故人宛の固定資産税の納付書などが届いているか確認をし、持ち家以外に所有している不動産がないか調べましょう。
2.預貯金(銀行口座)
銀行の通帳などが見つかった場合は金融機関に対して取引履歴や残高照会を行います。
亡くなる前に入院をしていた場合の医療費や葬儀費用など、故人のために必要な支払いがある場合は、口座から引き出す事が認められていますが、遺族の生活費などを引き出すことは認められていないため注意しましょう。
※後ほど詳しく解説します。
3.年金
自営業の場合は国民年金、会社員(経営者)の場合は厚生年金へ連絡をしましょう。
遺族年金の受給要件を満たしている子(原則18歳未満)や配偶者へ、納付額に応じた金額が支払われるようになります。
また、遺族年金の対象外でも、親が国民年金の被保険者だった場合は一時金を受け取る事ができます。
4.保険
故人が生命保険に加入していた場合は、保険会社へ連絡漏れが無いように注意しましょう。
死亡保険金だけでなく、生前に入院や手術を受けていた場合は、医療保険の保険金支払い対象になる可能性があります。
こちらも自宅の金庫や本棚に証券が保管されていたり、保険会社からの書類を探してみると後々加入していたことが判明するケースも多いので、注意しましょう。
5.株式(投資)
株式投資や投資信託などを行っていた履歴(取引履歴や運用報告書など)が見つかった場合は、こちらも銀行口座と同様に証券会社へ連絡をします。
特に株式投資に関しては親族に伝えない方も多く、見落とされてしまうことが多いため、書類やノベルティグッズ(カレンダーなど)が無いか注意深く確認しましょう。
負債がある場合は
相続で注意が必要なのは、故人に負債がある場合です。故人の財産はあればあるだけ引き継ぎたいものですが、相続の場合は負債も相続財産とみなし、引き継ぐ必要があるのです。
財産の方が負債よりも多い場合は、相続した財産から故人の負債を相殺して支払えば良いですが、財産より負債が多くなる場合は相続をした事で赤字になってしまうことも。
もしも故人の負債が財産を上回っていた場合『相続放棄』という手続きを取る事が可能です。相続放棄とは故人の財産・負債ともに受け取らない意思表示を裁判所へ申告する手続きのことです。
相続放棄を行うことで故人の負債を子供や親族が引き継ぐ必要が無くなります。もし故人に多額の負債があった場合は、法定相続人全員で相続放棄を行いましょう。
しかし、故人にどれだけの財産があり、どれだけの負債があるのかわからない場合は『限定承認』と呼ばれる手続きを取ることで『相続した財産を限度に負債を支払う』相続方法もあります。この手続きは書類の準備が大変なため、難しい場合はプロ(司法書士)へ相談することをおすすめします。
また、銀行口座の項でも解説しましたが、故人の医療費や葬儀費用以外の目的で勝手に故人の預貯金からお金を使ってしまった場合『単純承認』と呼ばれる「故人の財産と負債を全て引き受ける」行為に同意したものとみなされるため、注意が必要です。
後から多額の負債が発覚した場合でも、遡って相続放棄を行うことできないため注意してください。
遺言書がある場合の注意点
遺産の分配の際に、遺言書が見つかるケースがあります。この場合は遺言書に記載されている内容に沿って財産分与を行う必要があります。
しかし、いくら遺言書を優先するといっても「愛人に全ての財産を与える」といったような偏りのある内容は、法定相続人である親族の生活を脅かす可能性があるため一部を無効にすることも可能です。
法定相続人とは
相続の際に知っておきたいキーワードの中に『法定相続人』という言葉があります。これは相続の権利を有する人の順位を決めているもので、故人との関係性に応じて第一順位〜第三順位までの順序で分けられています。
第一順位の範囲は配偶者、子(亡くなっている場合は孫)
第二順位の範囲は親(亡くなっている場合は祖父母)
第三順位の範囲は兄弟姉妹(亡くなっている場合は甥姪)
第一順位相続人の全てが死亡(失踪)などによって不在、または相続放棄によって権利を手放した場合に、第二順位の相続人に権利が発生します。第三順位は同様に第二順位相続人が不在、権利放棄が行われた場合に初めて相続権が発生します。
このように法律によって故人との姻戚関係が高い順に、相続する権利が守られています。
財産分与を行う際に気をつけること
相続人が複数いる場合や、遺言書によって法定相続人以外へ財産の贈与を指示していた場合は当事者同士で話し合い財産分与を行います。基本的には話し合いや遺言書の内容に沿って相続(贈与)を行いますが、先ほど述べたとおり法定相続人の権利を侵害する内容での取り決めは無効となる可能性が高いです。
具体的には相続人には『遺留分』と呼ばれる権利があり、例えば第一順位の配偶者と子には相続財産の2分の1を請求する権利があります。よって遺言書などで第三者へ財産の全てを譲渡するといった文言があったとしても、遺言書そのものを無効にする申立てや、遺留分の財産を取り戻すことが可能です。
相続放棄が必要な場合の手続き
負債がある場合の項でも解説しましたが、相続財産よりも負債が多い場合は相続放棄を検討することが一般的です。相続放棄を行う際は法定相続人の第一順位〜第三順位の方全員がそれぞれ申告を行わなければなりません。
相続放棄の期限は原則「相続権があると知った日から3ヶ月以内」となっています。何の手続きも行わないまま3ヶ月が過ぎてしまうと財産と負債の両方を相続する『単純承認』をしたとみなされてしまうため注意が必要です。
相続放棄をする場合は故人が住んでいた市区町村を管轄している家庭裁判所へ申告する必要があります。全員で相続放棄を行う場合は、法定相続人それぞれが申告を行わなければなりません。
もしも「財産は引き継ぎたいが、財産を上回る負債を負いたく無い」という場合は『限定承認』を3ヶ月以内に行いましょう。限定承認とは引き継いだ財産を限度に負債を負う相続方法となっており、後から負債が発覚しても受け取った相続財産分だけ手放せば良いので安心です。
しかし、限定承認の手続きはやや複雑で、相続人全員の承認を得た上で書類の作成を行う必要があるため、相続人が遠方に住んでいる場合などは書類の作成や全員への周知が煩雑になります。
相続手続きについてのまとめ
今回は、親が亡くなってしまった際に行わなければならない相続の手続きについて解説いたしました。
葬儀が終わってからも忙しい日々が続きますが、一つずつ順番に対応していく必要があります。今回解説した相続関連の書類の提出が終わった後も、相続財産の金額によっては相続税に関しての手続きも必要となります。
難しい書類作成や相続関連の書類作成に戸惑った場合は、相続のプロ(司法書士)へ相談してみることをおすすめします。
私たち司法書士事務所 田子事務所(https://tagojs.jp/)では、相続に関する無料相談も行っていますので、相続の手続きで不安を感じている方はぜひ一度お気軽にご相談ください。
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