円満相続

「自分の親の財産をめぐって、家族だけではなく親戚全員が争うことになるなんて・・・」

相続は、よく「争族」という漢字を当て字されるほど、しばしば遺族の間にも大きな争いを生じさせてしまいます。多くの方は「うちに限ってそんな争いになることはない!」と考えます。しかし、被相続人が持っていた巨額の財産だけではなく、不動産、少額の預金に対しても、相続人になる可能性のある遺族間で泥沼の争いを繰り広げるのです。

以下は、相続においてよく見られるトラブル事例です。

 

相続トラブル事例

亡くなった被相続人Kさんが残した相続財産は、少額の預金とそれまで住んでいた家と土地だけ。Kさんの奥様は既に亡くなっており、Kさんと同居していた長男Aさんと次男Bさん二人で相続財産を分け合うことになっていました。

遺産分割に関して、残されたKさんの自宅にはAさんも一緒に住んでいたために、住居と土地などの不動産に関してはAさんが相続し、Bさんには残った預金といくらかの現金を相続するということで、スムーズに話が進むかと思っていました。

しかし、話がまとまりかけていたにもかかわらず、Bさんが主張を変えました。

「法律上は、兄のAさんと同等の財産を自分も相続する権利があるはずだ。自分の相続分は兄に比べて少ないので、不動産を売却するか、もしくは、それに相当した金額を自分にも支払ってほしい。このままでは不公平だ」

確かに、法定相続分はBさんの主張通りですが、その家にはAさん夫妻が現在も居住しており、Aさん自身にはBさんに相当分を支払うことが出来るほどの預金はありません。

話し合いの結果、Bさんの主張が通り、妥協案としてAさんとBさんが家と土地を共有する形になりました。Aさんはこれまで通りその家に居住していたものの、2年後、Bさんが自身の持分である土地と家を売却したい、それが難しいなら、Aさんに買い取ってほしいという主張をしてきました。Aさんはやむを得ずBさんの持分を買い取ることにしましたが、その後の兄弟の仲は言わずもがな、完全に崩壊してしまいました。 

巨額の財産を争うわけではなく、うちの家族はスムーズに相続できると思ったのに、こんな形で兄弟と絶縁関係になるなんて・・・

 

以上のような相続をめぐるトラブルは非常に様々なケースがありますが、そのようなトラブルに発展するのは相続人の問題であると共に、被相続人の生前の処理の問題でもあるのです。このような相続人間での骨肉の争いは、遺言をきちんと作成していればほとんどのケースは防ぐことが出来るのです。

 

円満相続のために「遺言書作成」「生前贈与」を検討しよう

被相続人が残した遺産を分割するためには、相続人間に感情的なしこりがあるとうまくまとまらないことも多いものです。遺産分割において、相続人となる方は「自分の主張だけでなく、各相続人の事情も考慮するべきである」ということに留意することが必要ですが、被相続人としては遺産の行き先をはっきりと指定した遺言を残しておくことが大切になるのです。

紛争になる可能性のある場合にはもちろん、遺産を残すことになる方は是非遺言を作成しておくことをお勧めします。また、遺産を受け取る側からも、遺産分割でトラブルにならないために、生前に遺言を書いてもらうようお願いしておくのが良いでしょう。

自分の所有する財産を、思い通りに処分する方法として、生前に個別具体的に財産を「贈与」する方法もあります。生前贈与は生きているうちに自分の意思を明確にするという意味では遺言と同じ効果がありますが、遺言と異なるのは、ご自分の財産を実際に与えるという行為を伴うことです。贈与に関する詳細は「上手な贈与の利用方法」をご覧下さい。

生前贈与の場合には、贈与者本人は自分の意思で与える事を確実にすることができ、また、贈与時点においてその理由や気持ちを直に伝えることも可能です。さらに、それを受けた人も感謝の気持ちを直接伝えることができます。 

トラブルを回避するために遺言を書きましょう!書いてもらいましょう!

上記のように、相続人間における「争族」を避けるためにも、遺言は非常に有効な手段です。遺言を残しておけば、残された遺族も、それが故人の意思だと思えば、よほど不公平な内容でない限り、たいがいの場合納得するものです。そして、法的に見ても遺留分が侵害されるなどの特別な事情がない限り、争うことができません。

無用な遺族間トラブルを避けるためにも、今すぐ遺言を作成することをお勧めします。

遺言書の種類に関しては「遺言の種類」・書き方に関しては「遺言の書き方」をご覧下さい。

 

当事務所では、皆さまの遺言書作成をサポートします

遺言書は、専門家に依頼せず手軽に自身で作成する「自筆証書遺言」と、専門家のアドバイスを受けながら作成する、安全で確実な「公正証書遺言」の二つがあります。

自分でも作れる遺言書ですが、当事務所が作成する遺言書は下記の点が違います。

相続人からクレームがつくような遺言書はつくりません。

・相続人に保証されている遺留分(最低限の相続分)への対策
・特別にお世話をしてくれた人の寄与分(お世話への対価)への対策
・遺言の無効主張への対策
・相続人の人生設計をも考慮した対応

 

円滑に相続手続ができるような遺言書を作成します。

・ 相続手続の執行まで責任を持ちます。
・遺言書の安全な管理をお約束します。

遺言書の種類、作り方は法律で厳格に定められています。それ以外の方法で作成されたものや口頭での遺言は原則として、法的効力を生じません。それどころか、かえって紛争の種になってしまう可能性すらあります。 

円満な相続を行うために、遺言書を作成する際にはお気軽に当事務所にご相談下さい。

 


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